徳川幕府の経済政策　その光と影 （ＰＨＰ新書　１３７７） 岡田晃／著 PHP新書の本

徳川幕府の経済政策も、初期の方では、年貢収入以外にも、金銀の鉱山からの金銀納入や、海外との交易からの利益、主要な都市からの運上金や、諸大名や豪商等からの献金で、随分、徳川家(幕府)の財政基盤を確立させて行きましたが、 やがて、金銀の鉱山からの金銀納入が急激に減少していき、また、鎖国(限定的開国)による海外との交易による利益の先細り等で、 幕府の財政基盤が、急速に揺らいで来ると、 年貢収入が、大変な割合を占めるようになり、次第に、貨幣改鋳による出目の獲得に頼るようになり、 やがて、貨幣改鋳の出目が、幕府の財政基盤のかなりの部分を支える様に、 ある意味、幕府の財政は、非常にいびつな感じになり、それに加えて、御用金等も、次第に幕府の財政に占める割合も高くなり、 ·····勿論、少しでも、年貢収入以外からの収入源を確保しようと、様々な政策を展開してはいましたが、 結果的には、中々巧くいかなかったことで、幕府の収入源は、ほぼ、年貢収入と貨幣改鋳益、御用金の徴収で、ほとんど占めるようになりました。 やはり、封建時代の米経済では、中々巧くいかなかったようですね。