限界分譲地　繰り返される野放図な商法と開発秘話 （朝日新書　９４１） 吉川祐介／著 教養新書の本その他

吉川さんのYoutubeが好きで購入しました。 約半世紀前の、我が国の無秩序な分譲地開発の不条理さをこれでもかと知らされます。 そしてそれらが巻き起こす、現代にも続く歪な状況。 既に社会問題化しておりますが、今後も負の遺産が我々の子孫に残されていくのですね…。 両親や祖父母、兄弟が、あるいは自分自身が家族に負動産を引き継がせてしまうような状況にないか。 改めて考えるきっかけになりました。 良書と思いますが、前著『限界ニュータウン: 荒廃する超郊外の分譲地』と重なる部分も多く、 また一般的な方にとっては前著の方がとっつきやすい内容のように思います。

Youtubeの人気チャンネル・限界ニュータウンの吉川祐介さんがいくつかの動画で述べている内容を敷衍して書き下ろした本で、昭和末期までの都心から離れた宅地開発が土地神話のもと実需よりも投機に主眼が置かれたこと、バブル崩壊後、必要とされない土地は荒れ果て、さらに得体の知れない連中が跋扈していることなど、多少でもこういった事に興味がある人には読んで損はないと思います。

全国で急増する放棄分譲地「限界ニュータウン」売買の驚愕の手口を明らかにする。高度成長期からバブル期にかけて「超郊外住宅」が乱造した経緯に迫り、原野商法やリゾートマンションの諸問題も取り上げ、時流に翻弄される不動産ビジネスへの警鐘を鳴らす。