そだちの科学　こころの科学　ｎｏ．３６ （こころの科学） 滝川一廣／〔ほか〕編集 発達心理の本その他

私はCPTSD/ASD/ADHD/MDI/LDの確定診断を受けています。私は当事者として、「なぜ内的/心的な精神疾患を（表現型である）外的な行動で分類するのか？」に対して非常に疑問を持っていました。本書は当事者の内的/心的プロセスに踏み込んでいるので、これまで読んだ本の中では一番大きな納得感を得ることができました。これまで疑問に思っていたことが本書でかなり整理されました。「発達障害は（定型発達とは異なる受け取り方であるかもしれないが）実は感じやすいので周囲の影響を受けやすく、ストレス障害になりやすい」などの説明は私にとってはとても説得力のあるものでした。一般の方には専門的で難解な部分があるかもしれませんが、（CPTSDなどストレス障害を含めて）統合失調症と発達障害の関係について非常に示唆に富んだ内容だと思います。数十年に渡る私の心の闇にようやく光明を見いだせた感じがしました。可能なら直接診断と治療をを受けてみたいと思いました。

以前から、多くの統合失調症と診断されてきた人の背景に発達障害があるのではと、現場では言われていたようですが、なかなかこういったことをきちんと論文や専門雑誌に投稿したものは少ないのかなと思います。非常に貴重な内容だと思います。

普段、疑問に感じつつも、こうした観点でまとめられた書籍になかなか出会うことができませんでした。著名な先生方の試行錯誤するような考察に触れて、大いに勉強になりました。

定期購読していたのですが、ポイントのつくお得なこちらで購入しました。さまざまな分野でご活躍される有識者の方の研究や実践を知ることができます。