荘園　墾田永年私財法から応仁の乱まで （中公新書　２６６２） 伊藤俊一／著 中公新書の本

日本史上非常に重要なものであるが、理解しているようで理解出来ていないのがこの「荘園」でした。成立から解体までまとめられており、非常に役立ちました。また、古気候学による気候変動の研究から荘園経営の盛衰を読み取る試みは非常に興味がわきました。

中世の土地制度が、荘園を母体にどのように変遷して、応仁の乱を経て土地制度が現在につながることが非常にわかりやすいし環境の変化が土地制度に影響を与えているという新たな視点が興味深い。

荘園の研究は、永原慶二さんの金字塔的な著作があり、これまではそれが通説となっていたが、近年の研究の進展もあって、荘園のイメージを大きく変えていくであろう著作といえる。

荘園制の仕組みが大きくまとまっています。荘園制の話をメインにするのなら、室町期荘園制に焦点をあてて書いてほしかった気がします。まぁ、半分は室町期荘園制の話ですが…。

荘園に関する最新の研究成果が書かれています。従来の初期荘園ー寄進地系荘園という捉え方ではなく、免田型荘園と領域型荘園という分類法には驚かされました。

農村の集村化に至るまで、長い期間の土地制度史を農業経営と領地支配の仕組みとして、日本中世の政治・経済・社会の根幹をなした荘園制をわかりやすく解説。

単なる財産かと思いきや、その荘園制度が軸となって日本史が動いてきたのだと分からせてくれる。織田信長も荘園を尊重せずにはいられなかった

応仁の乱までの日本の土地制度、難しそうな内容ですが、とてもわかりやすく読むことがてきました。商品の発送も早かったです。

昔から、その仕組みがイマイチ理解できていなかった荘園ですが、とても理解が深まりました。ありがとうございました。

科学的な知見の発展に伴う（少なくとも素人目には）新しい学説が盛り込まれており、驚くことがたくさんあります。