福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇 / 辻野弥生 〔本〕 日本史の本その他

「福田村・田中村事件」とは、100年前の関東大震災の際の流言飛語が官憲や新聞により加速され、各地で群集心理に煽られ「不逞鮮人狩り」と称して朝鮮人への虐殺行為が横行するなか、香川から千葉へやってきた行商人達が朝鮮人であるとの疑いをかけられ、正義を掲げる自警団によって9名が殺害された事件です。ある者は鳶口で頭を割られ、ある者は手を縛られたまま利根川に放り込まれ、虐殺された者には、3人の幼児と妊婦も含まれていましたが、加害者たちは法廷で自分たちの正義を語り、出所後に自治体の長になった者まで出て、事件は地元のタブーと化します。更には、被害者一行が被差別部落出身者たちだったことが、事件の真相解明をより困難にします。本書は映画『福田村事件』（森達也監修）が依拠した史科書籍でありますが、映画は本書にない脚色がありますので、それを踏まえて別のドキュメンタリー史料と考えた方が良いかと思います。とはいえ、「歴史好きの平凡な主婦」がまとめた本なので、プロっぽいドキュメンタリーという様相でもなく、だからこそ生々しく仕上がっているとも言えます。埋もれさせてはいけない歴史が語られた一冊です。

当時の差別について知らないことがよくわかりました。教育職をしている仕事に役立てることができます。

話題になっていたので購入しました。史実と取材に基づいた作品となっており読みごたえがあります。

納品に遅れがありました、到着するまでの情報が丁寧で理解できる範囲でした。 満足しています。