デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場 / 河野啓 〔本〕 ノンフィクション書籍その他

栗城氏はうさんくさい自称登山家と認識していたが、不可能と思われるエベレスト南西壁で遭難・死去するほどに入れ込んだ理由がわからなかった。ネットで調べると、大学教授のブログと、ＴＶ界の人間と思われる人のブログが引っかかったが、これは後者について取材を加えて本にしたもの。栗城氏側の人間にことごとく取材を断られており、あくまでも作者から見た栗城像にすぎないが、それでもぼんやりと実像をつかめた気がする。

服部さんのYouTubeをみてから気になっていた、「栗城くんは登山家じゃない」という言葉が、この本を読めば理解ができる。ただ登山家ではないのにあそこまでやりきることは普通できる事じゃないし、何がすごいのか何が悪いのかといったことがあやふやになる深みのある作品でした。

栗城さんに対しては良くも悪くも興味がなかったのですが彼が何故批判されエベレストで死んでしまったのか少しでも分かればと思い読んでみました。 読みやすく読み応えもありますが筆者の主観が強い部分も多くもう少し中立の立場で書かれていれば良かったのかなと思います。

私が想像していた栗城さんのイメージが変わりました。人間一人ひとり感性が違いますから、これも栗城さんの一面であったでしょうし、この本を読んだ方お一人お一人がまた違った感想を持てると思います。

栗城氏が行なっていた事は詐欺であり、決して応援してはならない人物である。 後世に伝える意味でも、もっと断罪しても良いと思った。 たとえそれが、著者が自身の罪を棚上げしていると言われようとも。

この方の死については非常の気になっていました。 ほぼ一気読みでした。 なんかこのスッキリしない感覚が残るものの、この種の本でスッキリ終われというのは無茶なお願いですね。

自分も登山をしていてアンンチ栗城さんだったのですが、彼の生前の行動が気になり読みました。コロナ禍でにわかアウトドアが流行る中、色々と考えさせられる内容でした。

以前から私自身、注目していた方でした。 読んでみると、知り得なかった事に 直面しました。 私達が目にしていた人、 違った面があったのだと改めて感じました。

地元の本屋さんや図書館に置いていなかったので助かりました。内容もとても興味深く、エベレスト登山についてもっと知りたくなります。

良いとか面白い写真と、評価していいのか分かりませんが レベルが違うとはいえ同じ山を登る立場から見て 考えさせられました。