レヴィ＝ストロース　野生の思考　未開の力を呼び起こせ （ＮＨＫテキスト　１００分ｄｅ名著　２０１６年１２月） 中沢新一／著　日本放送協会／編集　ＮＨＫ出版／編集 文庫本全般

　著者の名前は知っていたけど、ここまで凄い人だとは全然知らなかったし、『野生の思考』という本のことも、この100分de名著で初めて知った程度の読者です。ただ、構造主義という単語だけは知っていましたが、もちろん構造主義の中身は全然知りませんでした。 　したがって、この本はなかなか手ごわく理解に苦労しました。ひとつひとつ理解しながら、理解できないところが出たら前に戻る。そうやって読んでいきました。ある箇所では「コード」の意味がわからなかったので、前に戻ってコード(符号)と書いてあるところを見つけて、理解できました。 　少し時間がかかりましたが、構造主義がどんなものなのか、なんとなく理解できたと思います。 　さて、構造主義をなんとなく理解して、それでナンなの？って思いますよね。 　「野生の思考は現代に直結し未来にも大きな力を持つ」（7ページ）とのことなので、この本を土台にして『野生の思考』などのレヴィ＝ストロースの著作を読もうと思います。（野生の思考は100分de名著で取り上げられたからか中古も高いので、とりあえず中古で安いのがあった構造人類学を購入しました） 　私には、次のステップに進むための本となりました。 　 　

『ブリコラージュ』的発想、『概念』-『記号』、『科学的思考』と『呪術的思考』、『鏡像関係』と『反対物の一致』・・・そういった内容に興味がある人の入門書として、おすすめできる本です。 私の周りでは、少し違った意見を言われただけで“マウントを取られてたまるか”みたいになる人がいます。どこか 自分の知っている『概念』の外にいる相手は“同じことを繰り返している原始人”とか“怪しげな呪術師”と決めつけていた(一部の)西洋思想と重なります。 同じNHKで放送されていたアニメ『映像研には手を出すな！』の実写映画の中に、面白い場面がありました。物語内で非常に強い権限をもっている生徒会長は、強引な行動の理由を尋ねられ(自分達は)正しいから‼︎と答えます。自分の『概念』を疑わない人の特徴を表していると感じました。 →自信のない状態は良くない。自分を疑ってばかりでは何もできない。ただ“自分が正しいことにしないといられない”も・・・。 (個人的に)共感・反発を繰り返しながら、新発見の起点になってくれるレヴィ=ストロースの入門書。『ポケモン』のヤドキング(ガラルのすがた)も喜んでくれる？興味のある方は読んでみて下さい。

野生の思考を読むには少々気合が必要なので先ずはこちらから読んでみた。概要は十分に理解できたと思う。もう少し関連書籍を読んで必要であれば本編を読もうと思う。

野生の思考について学ぶことができます. 哲学を学んだ方やこれから学びたい方にはお進めの一冊です. がおー.