餓狼伝 （谷口ジローコレクション　２１） 夢枕獏／原作　谷口ジロー／著 小学館マニア系コミックその他

谷口ジローコレクション第Ⅲ期の第1回配本の1冊。本書は夢枕獏氏原作のコミカライズ作品ですが、90年代に単行本化された際に夢枕獏氏自身が「谷口さん以外の漫画家の線で描かれるくらいなら『餓狼伝』の漫画化は永久になくていいと思ってた。」と述べ、コミカライズには谷口ジロー氏しかいないと思っていたそうです。また、「谷口さんは、プロボクサー、アマレスラー、プロレスラーの肉体の違いを、はっきり描き分けられる稀有な作家である。」「『ナックル・ウォーズ』と『青の戦士』のボクサーの肉体とプロレスラーの肉体は全く違う。谷口さんの絵は、作画としてやっぱりプロレスラーはプロレスの身体をしてる。」とも述べています。本作における谷口ジロー氏の画力は当然のこととして、その格闘シーンの迫力も素晴らしく、格闘だけでなく、肉体そのものを理解しているからこその表現力の高さがうかがえる作品です。

原作は小説で登場人物達を想像しながら読んでました。漫画版の餓狼伝はそれぞれの楽しみ方はあると思いますが、リアルさが私のイメージが谷口ジロー先生作品がドンピシャでした。

30年前の漫画だから古臭さは否めないが、格闘シーンは迫力があるし、何より“痛み”が感じられる。 出来れば堤城平戦まで読んでみたかった…