ぼくはあと何回、満月を見るだろう 坂本龍一／著 ミュージシャンの本

グローバルな視点を大切にし、読書を欠かさず、死と向き合いながら最後の最後まで音楽に没頭した教授の姿が見てとれます。鈴木氏のあとがきで「彼の生きた時間の濃密さからして享年は７１歳ではなく２１０（３倍）であってもおかしくない」という言葉が的を射ています。他界されても教授の音楽、そして意思は永遠に生き続けます。ありがとうございました。お疲れ様でした。

永きにわたり時代を切り拓き牽引して来た天才・才能の塊り、それが坂本龍一さんへのイメージでした。晩年大病を患い、そのような中で音楽にそして自分に、どのように向き合って来たのか。そんな人間坂本龍一さんの姿がこの本には綴られています。改めて、巨星が逝ってしまった事が残念でなりません。

生と死に同時に向き合う強さ、潔さ、そして、しなやかさ。人間・坂本龍一の生きるエネルギーに感嘆し感動する。天才とは授かった才能を余すことなく使い切ることができる人なのだろう。最期の、死にゆく姿に涙する。

音楽関連(特に楽器を弾く方)に携わっている方には、是非お勧めしたい一冊です。ここまで哲学的に『音楽』を追求するのかと圧倒されます。著書が生きていると錯覚する感じで切なくもなります。

今まで知らなかったことや本人の考え方を知る機会となりました。 asyncは何気なく聴いていましたが、この本を読んで、何にも聴いてなかったと思い、改めて聴き直しました。涙が溢れました。

何度も癌に侵されて、苦しくても、目標を持ち続けて達成していく強さは凄いと思った。 でも力尽きる。癌は恐ろしい。 坂本さんは、あと何回満月を見たのでしょうか...

ご本人も編集者も苦労したと思うが、やる価値がある作業だったと思う。大変お疲れさまでした。表現することに最後まで執着した故人に敬意を表したい。

新潮に連載されていた際に買い忘れがあり、書籍になったことが非常に嬉しい。教授の思いが詰まっているので大事に読みたい。