カブラの冬　第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆 （レクチャー第一次世界大戦を考える） 藤原辰史／著 歴史の本一般

第1次世界大戦当時、ドイツ帝国は食糧（穀物）生産に欠かせない肥料の供給を、国内に資源がないため（カリウムを除く）海外に依存せざる負えない状況でした。 当然の事ながら戦争が始まり、英国がドイツに対して経済封鎖を開始すると三大肥料の内、リン酸塩がただでさえやせたドイツの農地に供給されなくなりました。 穀物生産は減少し、本書に書かれている様な農業生産者の思惑もあり、ドイツ帝国は飢餓に陥り、その社会的惨状が後のドイツ革命に繋がり、ドイツを中心とする中央同盟軍は協商軍に敗れました。 この苦い経験から、後のナチス・ドイツはナチ農政と言われる政策によって食料自給率の向上と、占領地域からの農産物の収奪によって、第2次世界大戦を戦うことになるのです。

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