おもかげ （講談社文庫　あ７０－２５） 浅田次郎／〔著〕 講談社文庫の本

主人公は定年を迎え送別会の帰り道地鉄車中で意識を失い倒れ病院に搬送される。彼を慕う人達が駆けつけるが容態は思わしくない。ところが彼の意識は肉体を離れ過去のさまざまな出来事に出会い、実は彼自身地下鉄車内で拾われた孤児でありその後一流企業の役員まで上り詰める過程においてさまざまな葛藤を乗り越え健全な家庭も持つが自分のルーツを知らないことに苦しむ。其が此の肉体を抜け出した意識はついに自分を産み捨てた母とも出会い、自分は捨てられたのではなく戦後の混乱時に自分といては死んでしまうであろうと思った母が暖かい地下鉄車内に置き去りにして善意の人達の情けで救われたと言う事実を知る…浅田氏にはΓ地下鉄に乗って」との名作がありますがあれは父親探しの本、此のΓおもかげ」は母親探しのルーツとも言える名作で感涙必至です。そして彼は同じ境遇である妻のため再起を決意すると言うところで物語は終わっていますがきっと彼は彼を慕う人達のため生き直す事ができると思います。

現実離れした内容だと思うが、現実に有っても可笑しくない、個人的にそうであって欲しい様な話であった。誰もが命の終いかたを考える時が来ると思うが、しっかりとした終いかたをした上で、この様な終わりかたが出来たら幸せだろうな！と感じてしまいました。

浅田次郎さんの作品は昔から大好きです。さまざまなジャンルを世に送り出していますが、独特の世界観が読んだあとからじわじわと心地よく私の中では1番です。今回はまだ、途中ですが、もうハマっています。

読み始めてすぐに浅田ワールドに引き込まれます。情景と心象風景の描き方はのっけからさすがです。この後、読み進めていくと、これまたストーリー、構成に唸らせられること間違いなしという予感がします。

浅田次郎さんらしい、登場人物それぞれに感情移入できる良い作品でした。一気に読み進めるというよりは毎日少しずつ時間をかけて読みたくなるような優しくて少し切ないお話でした。

こんにちは。 浅田次郎のおもかげは読みたいと思ってましたが、近くの紀伊國屋書店が閉店しまい、コロナもあり、なかなか本屋巡りもままならず、ネットで注文することにしました。

初めて書籍を購入しましたが、いつも使っているAさんより梱包が丁寧で気持ちの良い買い物ができました。文庫本といえどもキレイな真っ新本がほしいので通販で購入しています。

母の日のプレゼントで購入しました。丁寧な梱包で早々に届きましたので、母へ渡しました。とても喜んでくれて深夜まで夢中に読んでました。ありがとうございました！

浅田さんの作品は金ピカ時代から泣ける短編集、長編歴史モノやギャンブル三昧と殆ど読んできました。本当に何れも素晴らしい作品です。本作品もとても楽しみです。

とても面白かった。めったにない事なんですが、読後すぐに再度読み直しました。結果を知った上でもう一度読んでみたくなりました。そして、また泣きました。