Ｒ．Ｉ．Ｐ．　安らかに眠れ 久坂部羊／著 日本文学書籍全般

読後、正直ぼんやりとした。善良なサイコパス、邪悪な健常者このsentenceが妙に刺さったから。こんな人、みんな当てはまるような気がして。自死はいけないことだ。遺された遺族が背負うものはあまりにも大きい。でも、本当にそうだろうか。生きていて欲しかった？それが出来ないから辛いのだ。久坂部氏は決して、自死を良いものとは間違っても思ってはいないだろう。彼は医師だから。 あらゆる、既成概念に囚われているこの社会。個性と言う言葉で許される寛容さも、裏を返せば無関係の極みかも。 自死はかわいそう、その言葉が一番無責任なのか。 誰も救われない、誰も希望は持てない。この社会の無慈悲さがリアルに胸に滲みてくる。

兄、村瀬真也は3人の尊い命を奪いました。兄は本人の死にたい気持ちを尊重したらしいのですが、理解できません。善良なサイコパスな真也の言動はマイノリティだが理解できる。一方で妹薫子の思いは押し付けがましいて最初から嫌気がした。ラストは意外な展開に。