ＣＤ　上方落語　仮名手本忠臣蔵 （オーディオブックＣＤ） 桂文我 落語の本

桂文我師が何年か前に発表した大阪から伊勢参りまでの東の旅の落語を纏めた『伊勢参宮神賑』に続く大作CD。今回は『忠臣蔵』を大序から十段目までを演じた作品です。約320年前に発生した元禄赤穂事件（赤穂浪士の吉良邸討ち入り）を基に約250年前に歌舞伎で初演されて以来、『忠臣蔵』は文楽・歌舞伎・講談・浪曲等、様々な芸能の題材となり、落語でも200以上の『忠臣蔵』にちなんだ噺が作られています。1990年代にはクラウンから、複数の噺家が各所で演じた噺を纏めた12巻セットの落語『仮名手本忠臣蔵』というCDが発売されましたが、一人の噺家が『忠臣蔵』を通しで口演をしたものはありませんでした。本作は、桂文我師が、大序から討入りまで、一人で『忠臣蔵』の落語での通し口演ライブを各所で行い、各所のライブの中から大阪国立文楽劇場・横浜にぎわい座での口演を纏めたもので、研究熱心で様々な滅びた噺を復刻させてきた桂文我師の面目躍如と言える良い出来の作品だと思います。一聴の価値ありです。