東京タワー　オカンとボクと、時々、オトン （新潮文庫　り－４－１） リリー・フランキー／著 新潮文庫の本

リリーフランキーさんの自叙伝だと思いますが読後は涙涙でした。様々な夫婦の形はありますが破天荒に生きるΓオトン」。其のΓオトン」の分までΓボク」を慈しみ愚痴一つ言わず大学卒業まで仕送りや小遣いを送り続けたΓオカン」。やがて癌を煩いながら安心して住む家もないΓオカン」を東京で生活しているΓボク」が引き取り一緒の生活を始めます。明るいΓオカン」は病と戦いながらΓボク」の仕事仲間や友人達にご飯を作り東京にも馴染み癌を克服するも再度の癌に襲われ二度目の手術が上手く行かず次第に衰弱して行く中でも最後まで生きる事を諦めず闘う姿は感動的でした。でも年齢的にももうΓオカン」は限界で連絡を受け上京してきたΓオトン」や自分の姉妹達が見守る中、力尽き… その日は桜が咲いているのに雪が舞い病院から見える東京タワーの光が幻想的です。Γオカン」やっとΓオトン」とΓボク」が揃って見守る中、天に召されて長い間の確執も消えて苦労からも解放されて良かったね… 此の本は読む人により感想もレビューも違うと思いますがΓオカン」は最期は愛する人達に見守られ幸せな人生だったね…と言ってあげたいです。

私はリリーさんが好きです。本書を読んで深い感銘を受けました。 ご自身が無気力だった数年間を自嘲気味に曝け出しておられます(思わず共感してしまいました)。誰の監視も干渉もない自由過ぎる自由を手に入れた反動に加え、支えであったお母様から離れてしまったという現実...これが最初に味わった喪失感なのでしょうね。ところが、後に訪れる二度目の喪失感は全く異なるものであり、絶望的なまでに大きなものでした。 本書を読んでリリーさんが愛される理由が分かったような気がします。飾らない。拒まない。底抜けに優しい等々...そんなリリーさんだからこそ、本書を(結果的にそうなったとしても)売名目的で著されたことなど絶対にないと信じています。恐らく、リリーさんにもご家族やご家庭を題材とすることに対する躊躇いや不安があったのではないかと思います。そういうものを断ち切るための決意や勇気を込めて、本書を執筆されたのではないでしょうか？ お母様の美しく壮絶なエピソードは、私の心の中で色褪せることなく生き続けています。

過去に映像で見て、ずっと気になっていましたが、なかなか購入に至らず…今回購入して楽しみに読みました。素敵なオカンですね。

とてもおもしろかったです。さすが本屋大賞取っただけあります。作者とほぼ同年代なのでかなり感情移入しました。

気持ち良い取り引きをさせて頂きました。有難う御座いました。

迅速かつ丁寧な包装でした。ありがとうございました。

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