神々の沈黙　意識の誕生と文明の興亡 ジュリアン・ジェインズ／著　柴田裕之／訳 哲学、思想の本一般

ちょっとお堅い本でした。 たとえるなら、柔いものばかり食べていたら逆に歯や、その周辺の筋肉が衰えてしまいます。たまには、硬いものを食べないといけません。筋肉や脳を鍛えておかねばいけません。 人類の意識は3000年前に芽生えたもの。意識誕生以前の人間は、神々の声に従う「二分心」の持ち主で、彼らこそが世界各地の古代文明を創造した。やがて「二分心」は崩壊、人間は文字と意識を得た代わりに神々は沈黙した。 なんだか、仏教の末法思想と重なって見えました。 「末法思想」（まっぽうしそう）とは、仏教の予言に基づく思想のこと。仏教の始祖「釈迦」（しゃか）の入滅後（亡くなること）、年代が経つにつれて釈迦の教えが廃れ、悟りを開けず現世では救われることのない末法の世が、釈迦入滅から1,000年後あるいは2,000年後に来るというものです。

とても良い状態でとどきました。本の内容ですが、心理学の専門用語や過去の心理学者の学説との比較など、心理学の専門書に近い内容かなと、けっこう素人には難解な内容です。それでも熟読しながら読んでいますが、とても興味深い学説です。３千年までは、人間には意識はなかったという学説に様々な事例を挙げながらその学説について論じていて、説得力があります。読んでいる途中なのでまだ全体を理解したわけではありませんが、ふと思ったことがあります。日本の英語教育は、「意識」させる勉強法なのだなと。それでは他言語が身につかないのは当然のことだろうと、本書を読んで、そんなことを感じています。

「二分心」は一見突飛な仮説、視点でありながら、自身の経験の中でも妙に腹落ちする感があります。社会の中で生きていく人、あるいは社会を考えて行く人にとっては、一見不合理な当該要素が決定的な重要性を持つこともあるのではと思います。一度お読みいただければいかがかと。

子供の頃、もう30年以上も前にホーキング宇宙を語るを読んだ時と同様のモチベーションをもって臨みました。 生涯の宝物と思えるような読後感。こちらも同様です。 宇宙というこの不思議な何か。 意識というこの不思議な何か。

注文後すぐに届きました。近くの書店では置いてなかったのでこちらで購入できて良かったです。とても興味深い内容でした。

すぐ来たので助かった。丁寧にほうそうされていて、ほんが傷まずに良かった。ポイントがついてほんやで買うよりお得。