ノモンハンの夏 （文春文庫） 半藤一利／著 文春文庫の本

作家といいつつ、昭和史を本気で研究している半藤一利ならではの切り口でノモンハン事件を解説した作品です。場所ごとに時系列がしっかりとまとめられ、大変理解しやすい構成となっています。 兵隊をただ消耗品として考える上層部。自身は安全な場所から無茶な指示をするだけで、結果として現場にしわ寄せが行き、当然上手くいかず、バタバタと現場では血が流れる。大損害を失敗と認めず、大日本帝国に成しえないことなどないなどという思い上がりでただ突き進む狂気。この時点で竹槍で本土決戦だの、一人十殺だの太平洋戦争中盤以降の悲惨な未来は決まっていたのかもしれません。 今、この事件を振り返ると、非常に馬鹿げていると感じられますが、一方で現在の日本が再度同じ思考に突き進んでいる気がするのは考えすぎなのでしょうか。

ノモンハン事件は教科書で出てきますが、ほとんどが事件があったことしか記憶にありません。今回ノモンハンの夏を読み、この事件の多岐にわたるいろいろな角度から詳細な情報を調査されて、この事件が起こった事件の経過、人間臭さの葛藤、日本人の国民性、事件発生への重大なポイントが掴めました。現在でも同様、歴史は繰り返すことを記憶に留めたい。 著者半藤一利氏の逝去にあたりご冥福を祈ります。

黒沢年男主演の映画「日本の一番長い日」は鮮烈な印象を持って記憶に残っており、いつかは半藤一利の作品を読みたいと思っていました。折しもロシアのウクライナ侵略がはじまり今のロシアを知る上でも有益です。日本史で取り上げられない真実が克明に記されており必読の書です。

まだ読み始めてまもないですが、スラスラと興味を持って読み進められています。半藤さんの書籍は2つ目で、世界史の中の日本史を読んで面白かったので、人に勧められたこの本を選びました。

このところ半藤一利さんの著作を集中的に読んでおります。的確な資料に基づく鋭い分析に感心します。それだけに先達の誤りが苦々しく感じます。

しっかりとした取材に基づき、日本陸軍が敗戦濃厚な戦争に突き進む根源を、明らかにしてくれます。半藤ファンならずとも、一読の価値ありです！

やはり、当時の指導者達は、深い考えの集団ではなかったのではないかと思わざるを得ないと感じました。リーダーの資質が大切だと思います。

歴史ブームと謂いながら、近現代史に触れることは少ないですよね。学校の授業のせいなのでしょうか？政治的な作為があるのでしょうか？

配送が早く満足しました。傷などもなく、書店で購入するのと同じで、何も問題はありませんでした。今後も利用したいと思います。

半藤氏が亡くなられたので、今まで読みたいと思っていて、まだ読んでいない半藤氏の著作をまとめ買いした内の1冊である。