妙なる畑に立ちて 川口由一／著 農学一般の本

この書籍は自然農の技法も書かれていますが、自然農への手引書ではなくて、「自然農という生き方」を学ぶ本です。川口さん自身も書籍の中で、このように書かれています。「一つの形や形式や方法、技術は不要です。具体的方法を求める以前に、ぜひあなたは、あなたの畑に立たれてください。”妙なる畑に立ちて”、お米のこと、野菜のことを話し始めたのですが、僕の心は医学に、教育に、芸術に、食に・・・、人本来本然の生き方に広がってしまいます」 タイトルの「妙なる」という言葉は、「美しい」という意味だと思って読み始めたのですが、もっと深い意味がありました。「美は美だけで決して真の美とならず、美が美であるには真であり、善であらねば美として存在しません。非ざる美となります。真もまた、真だけではあり得ず、真が真であるには善であり美であらねば決して真とならず、善もまた、善だけではあり得ず、存在し得ず、真であり、美であらねば真の善とならずであり、真、善、美、いずれが欠けても妙とはならずであります。真、善、美は一つのものであり、完全なものであって、もとより妙なるものとして人は生かされております」