人狼への転生、魔王の副官　１６ （ＳＱＥＸノベル） 漂月／著 ノベルス本その他

ストーリー的には血湧き肉躍る英雄を活写している筈なのに、優しく穏やかな空気が満ちていて、私的にはこの著者の作風はとても好感がもてます（殺伐とした戦闘シーン少な目、登場人物が押し並べて好人物）。今作は漂月氏の代表作なので完結まで出版された事を歓迎します。惜しむらくは当初の出版社から変わった事からなのか挿絵画家の交代、ラノベの常套手段でありがちなネットに発表されたものを大幅に加筆訂正されたものとは違い、大筋変わらず驚きが少なかった事でしょうか。娘編は番外編として独立刊行させても良かったようにも思います。主人公を中心に描き切って欲しかった。まぁドラゴン〜戦神編はやや唐突感+蛇足感があるものの、マンガ編がどうやら途中完結してしまったようなので、本編だけでも完結してくれた事に感謝します。特にエンディングは（ネット編と大筋変わってませんが）他の凡庸な作家の作品と比べるまでもなく余韻が残るとても良い終い方だと思います。 転生モノ以外の作品も読んでみたい作家さんですね。