山川家の兄弟　浩と健次郎 （人物文庫） 中村彰彦／著 学陽書房（人物、教養）の本

子の本のレビューは難しいの一言に尽きる。なぜならば世に云う会津戊辰戦争で白虎隊の悲劇、娘娘子軍の悲劇、江戸幕府において沈み行く徳川幕府と朝廷との中をとりもち時の天皇、孝明天皇から護身筆の感謝の手紙まで戴いていた会津藩主松平容保候が政権放棄したに等しい松平慶喜の変わりに賊軍として薩摩、土佐、長州藩などから領地に攻め込まれ約３000名以上の藩士、老人、女子や子供など殺害及び強姦、家財道具の一切合財を奪われなければ成らなかったのか？など詳しい説明から入る必要があるからです。ただ山川浩氏と山川健次郎氏は塗炭の苦しみの中から必死で這い上がり後に男爵の称号を授けられるまでに成ります。特に山川健次郎氏は東京帝大総長、九州帝大総長なども務めΓ白虎隊総長やフロックコートの乃木将軍」などとも呼ばれ、会津藩滅藩後の流浪と貧困をバネとして厳しさと優しさをあわせ持つ教育者として生きることに。兄の山川浩氏は会津松平家の名誉回復の書であり会津藩の汚名払拭の書Γ京都守護職始末」の執筆を手掛けるも５４歳で病没、健次郎氏が意志を継ぎ編纂し世に出します。明治時代は多くの犠牲と悲劇の上に成ったものとの認識するに良い本です。