子だくさんの先の将軍とその女たちと政務関係の取り巻きとの思惑、また次の将軍とその取り巻きとの関わり、さらには下級武士の上昇志向などを含め、結構、複雑でドロドロとした人間関係を描いた小説で、大変興味深いものでした。現在でも、どこかの会長と社長、その男女を含めた取り巻きの、色と欲と金を巡る関係は、少なからずあるはず。しかし、こうした関係も、時の流れの中で消えてゆくもので、清張の眼も、そこに向いていると思う。

終戦直後、ＧＨＱの施政権下で起こった日航機の墜落事故の原因追及を巡る小説。「日本の黒い霧」を書いた清張らしい切り口で、その墜落の真実に迫る内容で、面白いですね。戦時供出の大量のダイヤモンドが消失した事実を踏まえたストーリー展開で、日本警察の捜査権が著しく阻害されている中での事件なだけに、疑わしいと思われる原因に迫っているが、十分とは言えないままで、ペンを置いている点が残念。

清張最後の作品ということで、興味津々で読み始めました。神々のお話しが長すぎるというか、もう少し宗教的な記述部分を減らしても良いように感じました。私自身が葬式仏教的な信仰心を持つ程度だからと思われるが、長々と宗教のお話しが続くと、睡眠薬かわりなって、翌朝、爽やかな目覚めとなりました。この上巻よりは下巻の方が、私の感覚には合っています。

中巻のコメントと同様です。米の占領軍内の内部対立、それに引き惑わされる日本側の行政・捜査関係者、そしてその両者とそれらの間で金儲けに走る民間人の動きの絡みが面白い小説。戦後の混乱期ゆえの事件を扱った小説で、それ以上の切り込みを筆者に求めることは限界があると思われる。

これは楽しく読ませてもらいました。清張の最後の作品ということで、大いに期待して読み始めましたが、下巻は展開のスピードが程よく楽しめました。ただ、最後の結末が、な～んだ、そんなことかという終わり方で、残念でした。

サンワのサイトより、このＬＰをiPadで使うためのアプリをダウンロードし、iPadのBluetoothの設定をONにすれば、パワポのスライドショーの進行を、このＬＰだけで制御できました。

ウルトラ高齢社会の生と性をめぐる話。長生きの秘訣の１つが、愛あるセックスにあることを、取材を通して論じている。「雀、百まで踊り忘れず」とでも言うか、人の生について考えさせられる１冊。

　一人のカリスマ美容師が、社長夫人や女性編集者を巧みに利用してスターダムに駆け上がるものの、利用価値のなくなった女を容赦なく切り捨てる非情が災いして、最後は破滅するという話。

大学の試験問題を、愛人と帰宅中のタクシーの中に忘れるという事件をきっかけに、学内人事における昇進などをめぐってのストーリー展開、面白く読ませてもらいました。

戦後まもない時期に起こった日本航空の墜落事故の原因を、当時の米軍の航空管制ミスではないかと推理する、面白い小説。 上中下の3巻にわたって、推理が面白い。