『古代メソポタミア全史』に続く、小林先生の古代史入門書です。 今度は、メソポタミアだけでなくオリエント全体の概説書的な感じになっています。 古代オリエント史は歴史好きには面白さが詰まった時代ですが、 一般的には学校で習ったような気がする程度でしょう。 しかし、現代社会の土台となった歴史と神話があります。 マンガやゲームで出会った神話の元ネタは、たいていオリエントです。 エンタメとしても、十分楽しめる歴史の入門書となっています。 古代オリエントは、みなが大好きな中世ヨーロッパより、はるかにエキゾチックで 面白いこと請け合いです。

巻末に、二人の作者同士の対談が載っていますが、 10巻は、こだわりの巻という感じが伝わってきます。 ネロ帝の最後へと向かうストーリーには独自設定が盛り込まれており、 そうきたか！とうならせてくれます。 プリニウスたちの旅も、謎の中国人との出会いがあります。 この時代に、こんな場所まで中国からやってきていたのか？ と不思議に感じるかもしれませんが、あり得ない話でもありません。 このあたりが歴史漫画の醍醐味でもあります。

東洋史学の泰斗(中国史研究者の神様的な)、宮崎市定先生の論文集です。 宮崎先生は鬼籍に入られて久しいですが、その文章はいまも色あせていません。 当然、論文そのものはかなり古いものですが、条支＝シリア説のように 現代でもわりと通説と見なされているものもたくさんあります。 これから中国史を本格的に勉強したいと思っている人には必須の一冊です。

第一次世界大戦から第二次世界大戦の間が舞台です。 史実とフィクションをうまく合わせた物語になっています。 7巻では、いよいよ1930年代に突入し、戦争の足音が聞こえてくるような 情勢となってきました。 スパイものの側面も有ったり、日本人になじみのないクリケットの話など 盛りだくさんです。

ついに、誰もが知る『ロミオとジュリエット』が登場します。 史実にうまく脚色を加えています。 うまく伏線を回収しながら、シェークスピアの名作が生み出されていきます。 本作の監修の先生（研究者）によるコラムも、歴史の裏舞台が分かって 良いスパイスになっています。

中野先生による、西洋絵画エッセイです。 その中の「美貌のひと」シリーズの第二巻です。 モデルになった美女（一部美男子）にスポットを当てて、その背景を探っていきます。 美術と歴史を一度に楽しめる1冊になっています。 １を読んでいなくても大丈夫です。

古参のファンじゃなくてもすぐに追い付いて楽しめます。 新刊は時々しかでませんが、 その分忘れてしまった全巻までを復習して楽しむことができます。 時事ネタを扱っていないため、いつまでも色褪せない作品です。

最盛期のローマ帝国の識者が書いたという設定のローマ軍ガイドブックです。 軍隊のシステムから、装備など細かな情報が豊富です。 古代ローマを舞台としたフィクションを作る際の資料にも使えそうです。

いくつかの伏線が回収されてきました。 しかしまだまだ謎が残っています。 ちょうど1巻から読み直したくなるところかもしれません。 改めて読みなおすと、新しい発見があるはずです。

ついにラスボスの正体も判明。 岩人間の生態が明らかになります。 このあたりは本筋から脱線して、 学研の生き物図鑑のような雰囲気でまた違った面白さがあります。