この本の著者ロベルト·サヴィアーノは、最初の作品「死都ゴモラ」で、ナポリを中心とした犯罪組織カモッラの内部を暴いたため、カモッラから殺害予告を受け、それから現在まで十数年に渡って国家の保護下にあります。 原作「Gomorra」は全世界で10000000部以上を売り上げた作品です。原文が難解な文章なのだろうとは想像できますが、日本語版では素晴らしいとは言えない翻訳のために、そのポテンシャルを著しく損なっていると思われます。 そして今度はどうだろう？と、この「コカイン　ゼロゼロゼロ」を買ってみました。結果は...最高でした。とても読みやすく、読み始めたら止まらないほどに面白く、また恐ろしかったです。 読み終わって思ったのは、じゃあ「死都ゴモラ」の訳はいったい何だったのだろう？ということでした。 新訳が出てくれるとうれしいですね。

まず市川崑監督の映画の方を先に観ました。映画も素晴らしく、四姉妹もとても綺麗ですが、やはりだいぶ端折られており、またそのための多少無理やりな（個人の感想です）脚色などもあります。一方私にはこの本は完璧な作品に思えます。物語が魅力的なのはもちろん、関西弁（そう括っていいのかはわかりませんが...）での会話文がたいへん心地よく、読んでいてものすごく幸福な気分になれました。 しかもこれが戦争中に書かれたとは！　谷崎氏の骨太さを感じます。 ちなみにこの新潮社版は註釈もとても詳細で、字の大きさ、字体もちょうど良く、好きです。ひとつだけ要望があるとすれば、表紙デザインが他のパターンのものも作ってほしいです。 あまりに美しい作品だったので、お礼が言いたくなり、京都の法然院にある谷崎潤一郎夫妻のお墓参りにも行かせてもらいました。

このまえのオリンピックでも過去の問題発言によって解任された人がいましたが、やはり、日本では（もちろん仕方のない面もあるとおもいます）ユダヤ人問題や、ホロコーストなどについて関心が高いとは言えません。ユダヤ人といわれる人々は大昔から迫害されてきた一方、芸術やその他の分野で人類に多大な貢献をしています。この本を読んで、ユダヤ民族について理解できたとは言いませんが、とても面白く読める本で、さらに興味が湧いてきました。

まず表紙のかわいさに目を惹かれ、少し中身を読んでみるととても面白そうな内容だったのですぐに買いました。調べてみると筆者の方はたまにTVでもお見かけする哲学者（とお呼びしていいのでしょうか？）の国分さんでした。哲学書の類は、今まではすぐに挫折してしまっていたのですが、この本は難しいことをとてもわかり易く、噛み砕いてくれているので、挫折することなく最後まで面白く読むことができました。

「アウシュビッツは終わらない」（原題「これが人間か？」）の作者プリーモ・レーヴィのたしか遺作だったと思います。せっかくアウシュビッツから生きて帰ってこられたのに、この人は最後自ら命を絶ってしまいます。地獄を見てしまった人がその後どのようなことを考えて生きたのか？　本当に考えさせられます。 　ドイツ人の読者とのやりとりなどもとても興味深いです。人類必読の本だと思います。　

日本人でもアウシュビッツについてはみんな何となくは知っているでしょうが、特に若い人なんかは、実際にどうだったはあまり知らないし、知るのが怖いということもあるかもしれません。実際ホロコーストの現実は想像を絶していますが、読み始めたらもう止まることはできません。本当に素晴らしい本だと思います。この本に続く「休戦」もすごい本です。

このアルバムはミックのファルセット多めで、ワイマンのベースが気持ちいい！　キースの歌う曲も味がありまくりです！！ ストーンズは時代ごとに変化し続けて、しかも常に最高な楽曲をつくり続け、しかもまだ現役(チャーリーは亡くなってしまいましたが涙)。とんでもない人たちです。

野矢茂樹さんの本は「論理トレーニング101選」に続いて二冊目です。自分としては本が好きで、しっかり読んで（読めて）いるつもりでしたが、まだまだなのだと思い知りました。野矢さんによる宮沢賢治の「土神ときつね」の解読、とても興味深く読ませて頂きました。