お二人の共著はいつも読んできましたが、この最新本は、それらの中で、最もスリリングで、刺激に満ちていて、夢中で読み進めました。ここで論じられていることが、もう少し流布したら世の中変わるだろうにと思いますが、残念ながらそうはなりません。真実は必ず世のどこかで漏らされ語られるのですが、メジャーな場所には取り上げられません。圧倒的なその他の「事実」と「嘘」の情報の洪水の中で、無いと同じ存在にされてしまいます。その構造をこそ壊したい、お二人に破壊していただきたい、と思うのですが。少しでも多くの方が本書を読まれ、日本の危機、世界の危機、に思いをいたしていただきたいと切に望みます。

もう半世紀も前、深夜の再放送で観て、深く感動しました。梶と一体化して戦争に対峙し、美千子を理想の女性として心に刻みました。原作も夢中で読みました。私にとって、青春のすべて、青春そのもの、のような作品です。10年ほど前、加藤剛さんの著書で、彼のデビュー作であるこの作品のビデオが奇跡的に見つかり、寄贈していただいたと記されていたので、出版社を通して、ぜひDVD化をしていただけませんかと、手紙を書きました。もちろん返事はいただけませんでしたが、時を経て、こうしてDVDが販売されて、夢のような気がします。私の青春時代の忘れられない作品です。

評判通りの、大迫力の、メガトン級の、政界への爆裂弾。しかし、どこを、誰を、爆破するというのか。国賊は、あなたの足元にもいるではないか。ダブルスタンダードはいただけない。力作だけに、残念。愛国者を名乗る者の中にこそ国賊がいるのではないか。それが昭和の戦争の歴史（「大東亜戦争」）の経緯と結果から学べることではないか。