アメリカのトランプ、フランスのルペン父娘、大阪の橋下を主とした例としてとても説得的な分析がなされている。ポピュリストは民主主義に巣食う獅子身中の虫、議会制民主主義の手続で権力を掌握し（正統性の確保）、国民投票で自己の主張を正当化する（熟議のない一時の感情まかせの民主主義）。自らを「人民の唯一の代表」と規定・僭称し、反対者を「人民の敵」のレッテルを貼り排除。要するに公人による「大人のいじめ」に「人民」が喝采する。人民全体を代表するということは誰の代表でもないことと同義、すなわち全体主義・独裁が正当化される。議会制民主義はポピュリストという「シロアリ」に中身を食い尽くされて空洞化し、公務員組織は私物化される。国会議員が次の選挙しか考えない「政治ゴロ」に堕し、中身のない新党が次々と結成される。国会の「熟議による利害調整機能」は政府与党の強行採決の常態化で形骸化し、新聞やテレビは特定ポピュリストの宣伝や番組まで提供している。ポピュリズムは民主主義を蝕み破壊するだけで民主主義が直面するさまざまな問題の解決には絶対にならないことを自覚すべきである。

1000円という値段相応の安物である(送料 代引き手数料をくわえたら安物という範疇にはおさまらないかもしれない)。 まず、第一に、私のところに届いたバッグは写真のようにブラックではなく、ダークブラウンであった。次に、内部であるが、ペラペラの仕切りで区切られており、大きなものを入れることができない。少なくともこの仕切りはない方がよい。また、底に底板が入っていないので、肝心のA4書類が入らない。ファイルか何かに綴じて入れないと変形してしまう。その反面、A4ファイルを何冊もの入れると前面のキーが閉まらなくなってしまう。もちろん角2号封筒は無理。小物収納も、ペンホルダーと手帳ぐらいの大きさの収納が2つあるが、どれもすぐに壊れそうな印象を受ける。側面に同じく手帳ぐらいのものが入るジッパー付き収納があるが、内側からは丸見えである。後ろの収納にはマジックテープが付いているがかえって邪魔である。2000円はもちろん、1000円でも、店頭販売だったら買うのに躊躇しただろう。

グリーンを購入。子供部屋レベルの品である。外装も屋根の真正面はグリーンだが、横はすべてブラウンである。リビングには無理。価格は３０００円以上は出したくないな、という感じ。中国から直送されてきたようだが、箱が一部破損、時計自体も部品が外れていたりアクセサリー部分が壊れていたりしていた。幸いにも時計本体に支障はなかったようである。説明は外箱に英語で書いてあるのみ（図も文も正確とはいえない）。カッコー時計として動かすためには、時計用（単三電池１本）、振り子用（単三電池１本）、「カッコー」用（単一電池２本）の４本の電池が必要である。時計の裏側にボタンのようなものが赤と黒２つあるが、赤が「カッコー」作動、黒がオフのようである。後ろ側左脇にボリューム・コントロール用のつまみがある。一番手前まで回すと音が消えカッコーは鳴かずに出てくる。カッコーの鳴き声の回数と時数との合わせ方は今のところわからない。

荻生徂徠が江戸時代中期（綱吉から吉宗まで）に提唱した政策を、政治的・経済的・社会的にも閉塞状況にある近未来日本に強制適用したらどうなるか、を描いた漫画。したがって舞台は近未来日本であり江戸時代ではない。徂徠の提言は江戸時代の社会を反映し、士農工商の「階級社会」、「職業選択の自由」の制限、「居住・移転の自由」の制限などが当然の前提として盛り込まれているが、それでもそれを強行すれば社会主義的な「失業のない」「最低限度の生活収入」の保障された「平等」な社会が実現されそうであると本書は述べる。問題は現代社会にはそのような政策を強行する政治権力が存在しないことである（議会制・政党政治の堕落が原因であり決して独裁制を正当化するものではない）。弱者は生活の保障された「平等な社会」を望むが、強者は「夢のある」「自由な社会」を望む（自分が勝てるから）。選択は読者に委ねられる。読み物としても面白い。

なかなかよく書けている古代ギリシアの「歴史」の本。したがって、「ギリシア神話」や「観光」とはほぼ無縁。しかしギリシアへの旅行を考えている人には大いに参考になる本である。第1章エーゲ海文明の誕生では、先史時代からクレタ島の宮殿文明、サンタリーニ島の大爆発（火山噴火）等が扱われる。第2章地中海への飛翔ではミケーネ文化が、第3章都市国家の時代へでは都市国家ポリスの成立とその構造が説明されている（やや教科書的）。第4章アテネとその世界はアテネの都市史と社会構造の説明、第5章激浪の中のポリス社会、ペルシア戦争、アテネの反映、スパルタとのペロポネソス戦争、テーベの覇権時代駆け足で叙述が続き、そしてマケドニアとのカイロネイアの戦いにおけるギリシア世界の敗北で幕を閉じる。図や写真、地図がふんだんに使われており、眺めているだけでも結構楽しめる。

残念ながらちょっと期待外れの賞品だった。まず、色は写真のような「シャンパンゴールド」ではなく、光沢のある「黄土色」に近い。次に、ラジオ・ライト用の電池を入れるのに一苦労。なかなか電池ボックスの蓋が閉まらなくて壊れるのを覚悟で押しこんだらようやく閉まった。さらに、時計とアラームの調整は、モードボタン一つでするので結構わかりにくい。時刻のセットボタンは後戻りができないので、たとえば午前7時にセットしようとして8まで押してしまうと、あと23回押さなければならない。時計のバックライト機能に至ってはお粗末とかいいようがない。また、ランタンとして使う場合も、本体を伸ばすのにかなり力がいる。ただし、ライト自体はかなり明るくてGood。全体として作りがチープであり、自宅用には良いが、贈答にはちょっとという商品である。

難しい本です。そもそも、経済学は人間の幸福、よりより生活の実現を目指して誕生したのに、なぜ現代アメリカ経済学のように「貨幣至上主義」「拝金教」のようなものができあがってしまったのか、「経済学」＝「貨幣の動きを研究する学問」ではないはず、という問題意識がない方には理解不能な議論です。そういう論点もあるんだという前提と読んでいく必要があります。もっとも筆者の主張は近代個人主義社会が分解してしまった「孤独な個人」を自然を中心とした共同体社会に戻すことで人間性を回復しようというとことにあるので、そのための「誘導」のような読後感は残ります。それにしても日本ではほとんど無名の学者の主張までよく調べてある反面、最後に紹介される2人がマルクスとケインズというのはちょっとさびしい気がします。

横須賀線のQトレインである。チョロQが単なる電車の塗装をした「箱」との印象を受けることに対して、これはいかにも「鉄道模型」というリアル感を受ける。 それにしても、なにゆえ、同じ113系なのに東海道線のQトレインとかくも値段が違うのか、疑問に思っていたら、横須賀線のコントローラーと東海道線のそれとは別であることが判明した。すなわち、横須賀線のコントローラーは青いのに対し、東海道線は緑である。青が1234の4バンド、緑がABCDの4バンドで互換性はない。 なお、「行き先」や「JR]の表示シールは自分で切って貼ることになるので、事前の細かい手作業が必要である。このシールは東海道線モデルには付いていないので、東海道線も購入される予定のかたは保存しておいた方が良い。

大変よくできている蒸気機関車セットである。機関車は外国のものではなく、おそらく日本の9600形であると思われる。客車も細部までこだわっており、内部にはちゃんと座席がある。ただ、レールが曲線だけなので、出来上がるのは直径約1メートルの円である。したがって、かなり場所をとる。また、曲線ゆえ、車両を載せるのがちょっと難しい。確かに炭水車・客車ともに車輪部分が曲線対応になっているが、動力源である機関車はそうではなく、上手に載せてもスイッチを入れたとたんに脱線・暴走はめずらしくない(慣れれば大丈夫なのであろうが)。直線部分のレールも入れて欲しかったと思う。したがって、★は4つ。

このマンガ本しか読んだことがないのでゾンバルト自身の思想はわからないが、この本は金持ちの贅沢や奢侈こそ経済発展の牽引力とするものである。その意味で現代の「新自由主義経済」の「おこぼれ理論」の元祖のようにも読める。自由主義経済の祖とされるアダム・スミスが、生活必需品の生産こそ国富を形成するものであり、企業の利益を労働者に賃上げという形で還元し、労働者の生活必需品への購買力を高めることこそ経済発展につながるとし、奢侈品の生産や家内労働者（執事やメイドなど）を国富の増大につながらない非生産的労働として退けたものとは正反対の主張である。なお本自体は読みやすいし面白い。