商品レビュー

中谷美紀さんに影響を受けて。 若い頃に読まなかったことを後悔しましたが、気付いた時が良き時期なのだ、という母の言葉をあらためて思い出しました。 今でも十分に難しく、考えさせられ、教えられます。今の私の心に響き涙がとまりませんでした。

今までのブッダの物語の中でとてもブッダの苦悩の深淵を感じれた作品でした。手塚治虫のブッダとまた違ったブッダの人間模様が秀悦です

舞台は古代インド。バラモンの子・シッダールタは、人生に疑問を持ち、父のもとを離れて沙門の道へと歩み始めたが……。 シッダールタと聞けば、お釈迦様の本名「ゴータマ・シッダールタ」が思い浮かぶかと思います。それならば本書はお釈迦様の生涯を描いた物語……ではなく、「シッダールタ」という名前の(お釈迦様とは別人の)修行僧が主人公の物語です。そのため、話は著者ヘッセが自作したフィクションで、現実の歴史とは一切関係がありません。 しかし、では単に仏教の内容を拝借しただけの物語かと言えばそうではありません。 それどころか、かなり綿密に話が作り込まれており、物語形式でありつつも仏教の真髄を読み取ることができます。若き僧侶が道を一歩ずつ進んで行く姿と繊細な情景描写には圧巻の一言。これはやはり大文豪だからこそ成せる技でしょう。 すばらしい本に出会えたことに感謝。

思っていたよりも理解しにくい部分もある。それが翻訳のせいなのか自分の理解力なのかはわからない。だから、また繰り返し読みたくなるという不思議な本かもしれません。あと2、3回読まないと駄目かも。

中古としては普通ですがもう少し綺麗なものを想像していました。 カバーをさらに綺麗にしていただけると良かったです。

色々とブッダの本を読みましたけれども、拝啓の苦悩を色々と感じさせられる秀悦な本でありました。 よかよか。