qcp********さんの商品レビュー

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天界と地獄/E・スウェーデンボルグ/宮崎伸治

天界と地獄/E・スウェーデンボルグ/宮崎伸治

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人間は、死んでも肉体が滅びるにすぎない…

2024/3/4

 人間の死後の世界は、大別して3つに分かれている。天界、精霊界、地獄である。そして、死後の人間は、まず精霊界に入るという。そこで天界に行くか地獄へ行くのか、神によって明確に区別されると言っている。  以後、霊や天使と会話した内容などが語られているが、神学の思想がベースとなっている。 また、古代インドを筆頭に中華や日本に根付いている、次生への転生については、この本の中では語られていないのも大きな特徴だといえる。また、彼が見たという死後の世界は、人間の死後の世界だった。つまり、人間以外の生物には、それ相応の世界があるのだろうか。それとも、人間以外の生物には、死後の世界は存在しないのか。  書かれている内容を信じるか否かは読者によって異なるとは思うが、ワシは否定的に受け取った。 なぜなら、ワシが信奉しているのは仏教であって、その思想の目的は輪廻転生からの解脱だからである。輪廻転生が存在しないということは、仏教含めバラモン教の思想が誤っているということなのか。  果たして死後の世界とは、その人が信心を持つ思想に沿った風景が見えるというものなのではないか。日本人の臨死体験を読むと、そのように思えてくるのである。

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世間とズレちゃうのはしょうがない/PHP研究所/養老孟司(単行本) 中古

世間とズレちゃうのはしょうがない/PHP研究所/養老孟司(単行本) 中古

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ほぼ伊集院光さんが、語っています。

2024/5/25

 養老先生の著書は、何冊か読んだことがあるので、語り口には馴染みがあるのだが、伊集院光氏については、よく分からなかったので、序盤は内容が上手く消化できなかった。なので、「はじめに」に戻って、再度読み直してみた。  もし自分が世間からズレていることに気付いたとしても、ネガティヴに考える必要は無い。ワシもズレているから、よく分かる。折合いをつける必要も無いように思うのだが…。そうすることで、孤立することもあるということか。  養老先生は、「世間とどう折り合うか、それを苦心惨憺して発見していくのである。世間と徹底的に戦えば、日本🇯🇵とアメリカ🇺🇸の戦争みたいになる。相手は巨大でこちらはリソースが不足して敗北。世間と完全に折り合ってしまえば、今度は自分のほうが消える。世間とは何か。社会の正統であろう。正統とは、自己隠蔽性を持つ。自分はこうだと明示的に示さない。それを言う必要がないのである。でも明確な説明なしに「それが世間の常識だろ」とも言うのである」と言っている。  没個性をとるか、大衆への迎合か。社会で生きて行くには、両者を巧みに使い分ける必要があるということだ。

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趣味は読書。 ちくま文庫/斎藤美奈子【著】

趣味は読書。 ちくま文庫/斎藤美奈子【著】

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これが「書評」なんだな、と。

2024/5/15

 43冊のベストセラーに対する評論と、新たに6冊の評論が追加された増補版である。  「普段本を読まない人が読むからベストセラーになる。だから所謂「本読み」は、ベストセラーを読まずに批判する。が、それでいいのか?」ということで、文芸評論家・斎藤美奈子氏が果敢に挑んでいる。それらベストセラーが出版された年月にも注目し、時世を踏まえて評論している。各評論における美奈子節が、極めて痛快である。  序章と全6章構成。序.本、ないしは読書する人について。1.読書の王道は現代の古老が語る「ありがたい人生訓」である、2.究極の癒し本は「寂しいお父さん」に効く物語だった、3.タレントの告白本は「意外に売れない」という事実、4.見慣れた素材、古い素材もラベルを換えればまだイケる、5.大人の本は「中学生むけ」につくるとちょうどいい、6.ものすごく売れる本はゆるい、明るい、衛生無害。  著者が槍玉に挙げた49冊の内、我が本棚に蔵している若しくは読んだことがある本は、16冊もあった…。流され易いのか…  もっと早くこの本に出会っていれば…、それらを読まずに済んだのにな。

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自分はバカかもしれないと思ったときに読む本/竹内薫

自分はバカかもしれないと思ったときに読む本/竹内薫

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こじらせるのは、賢明ではない。

2024/5/15

 2015年発行同書の文庫版の新装版である。  冒頭で簡単な(?)頭の体操から第1章への導入となっているほか、各章を拾い読みすることでも十分にバカをこじらせない方略を得ることができる内容となっている。  第1章を読んで、自身の中学・高校時代の生徒ぶりを大いに後悔した。ワシは、バカである(笑)。  第2章の後半、「字が汚いと損をする」に大いに共感した。経験がある。色々と書きつけることで練習として、ゴシック体に近い筆跡に至ったことがある。今でも、わりと読みやすい文字を書けている自信はある。しかし、毛筆となると、てんで駄目なのは残念なところ。職場の上司や学校教諭で文字が判別しづらい人がいたのも、影響したと思う。  第3章の濫読のすすめは、偶然にも実践している。まだまだジャンルの幅を拡げる余地はあるが。文章や箇条書きは使い勝手が悪いというのも、経験した。ここからクリエイティブな発想は、本当に生まれない。  第4章も大変ためになる。熟成期間は必要であり、成果を生むためには必要不可欠だ。

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近畿地方のある場所について/背筋

近畿地方のある場所について/背筋

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カバーの写真は、ヒントなのか?

2024/5/25

 数十年振りに、「この手」の本を読んだ。紀伊國屋書店で立読みしてから、気になっていた。  小説本にありがちな、目次が無いという構成も、独特の雰囲気を醸し出すのに一役買っている。そして、中見出しの見返しには、「情報をお持ちの方はご連絡ください」の一文が。  タイトルの通り、該当する地域は伏字で濁されている。なので、余計にそれが何処なのか気になるのだが、やがて、それは何処なのかという問題ではなくなる。  数々のオカルト誌に怪談などを寄稿する、ライターでホラーマニアの著者が、友人の編集者・小沢くんの依頼により、一緒に仕事をすることになる。しかし、その小沢くんが色々取材を重ねていく内に、消息不明となる。著者は、様々な推測を弄し彼の足跡を辿ろうとするが、彼は…。  ワシが過去に読んだ「この手」の本と云えば、稲川淳二の怪談シリーズや、『リング』(貞子でお馴染み)シリーズ、坂東眞砂子『死国』なので、実話系は初めてである。本当にそんなことがあるのかというのが、正直なところの感想である。

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世界のニュースを日本人は何も知らない 5/谷本真由美

世界のニュースを日本人は何も知らない 5/谷本真由美

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日本は情報社会から締め出されている?

2024/3/14

 普通なら、各国ごとに政府の方針に沿った情報操作は行われる、と考えるだろう。世界にはさまざまな情報が溢れていて、国ごとにその国内に伝播させる情報を仕分けている…というイメージである。しかし、そうではない。特に日本の場合は、国家丸々、蚊帳の外にされているというイメージとなった。これは、大いに外交の仕方や情報統制を管轄する機関に問題があるだろう。  はっきり言って、日本は他国から舐められている。政権が短命で、それに伴い、大臣がコロコロ代わるからである。各国の外交官にとっても、信頼関係を築く間もなく代わってしまうわけだから、そうなるのも致し方無しである。  紛争国や中東情勢においても、危険を理由に渡航許可が下りないので、現地の様子を直接知る術がないので、必然的に情報からは遠ざかってしまう。  かなり詳細に語られているが、著者の意見と事実と思しき叙述が入り混じっている。専門用語や現代用語も用いているので、注記や出典が添えられていると、さらに分かりやすかったと思う。

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功利主義者の読書術 新潮文庫/佐藤優【著】

功利主義者の読書術 新潮文庫/佐藤優【著】

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インテリジェンスは、読み方も。

2024/5/25

 「まえがき」にもある通り、実用書やビジネス書は、役に立つようにつくられている。これは、当然。なので、著名な古典を例示し、それらが21世紀の現下日本と世界を読み解くのに、如何に役立つかという読み解きをしている。また、小説や芸能人本、さらにはビジネス書で謀略史観系であるというレッテルが貼られているものを敢えて取り上げ、そのテキストに盛り込まれている叡智を抽出している。これが実に秀逸で、大変勉強になる。しかし、そういう読み方をし、そこから有益な考えを導くには、相応の予備知識というものが必要不可欠である。  正に、字面を追うだけでは、読書にはならないのである。行間を読めてこそ何ぼの世界か。行間・紙背に隠れたメッセージを読み取り、過酷な現実を戦い抜く方法を鮮やかに提示している。  読書とは、知的好奇心あればこそ、なのである。佐藤氏が取り上げている書籍のなかで、何冊か読んでみたくなったものがある。こうして自身の読書の世界を広げていくのかと感心しきりである。

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地球を掘りすすむと何があるか/廣瀬敬

地球を掘りすすむと何があるか/廣瀬敬

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月は征服できても、地底は征服できない。

2024/5/25

 地球🌏の陸地は、大陸プレートを呼ばれる地殻であり、その厚さは最新でも12kmほどということである。地球規模からみれば、何とも薄っぺらいものだと気付かされる。また、地球は水の惑星という言い方もされるが、海や河川の深度と面積からみれば、果たして本当に豊富な水源か?まして、そこから採ることのできる飲料水の量とは…と考えると、水資源は極めて貴重なものであることに気付くことができる。  さて、この本は2022年7月の出版であるが、ワシにとっては非常にタイムリーな本となった。というのも、月刊Newton2024年6月号の記事の中で、同様の特集があったからである。両方ともに、大変興味を持って読むことができたうえに、内容がリンクしている分、理解しやすかった。  地殻やコアの説明のほか、ダイヤモンド💎はなぜ貴重なのか。プレートテクトニクスのメカニズムは❓月は衛星にしては大きすぎるなど、興味深いトピック満載である。

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アウシュヴィッツの残りのもの アルシーヴと証人 新装版/ジョルジョ・アガンベン/上村忠男/廣石正和

アウシュヴィッツの残りのもの アルシーヴと証人 新装版/ジョルジョ・アガンベン/上村忠男/廣石正和

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2022年12月発行の新装版

2024/3/4

 アウシュヴィッツは、ポーランドにある、第二次世界大戦中におけるナチスドイの強制収容所。アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所と呼ばれ、施設群の総称である。  ドイツ国家による人種差別により、ホロコーストと強制労働の対象となったユダヤ人が収容され、夥しい数の人が殺害された。  その惨禍を風化されないためにもと、世界遺産に登録されている。  「回教徒」という表現が出てくる。これは本来ならイスラム教徒という意味だが、ユダヤ人がイスラム教徒なのか。そうではなく、あまりにも苛酷な状況で、虚脱状態にあっての機械的な所作が回教徒の礼拝の姿に似ているからだという。  殺戮のためのガス室と、屍体を焼くための焼却炉を備えた施設内で、極限状態に追い込まれた人びとの生の真実とは何か。また、生き残りの一人であるプリモ・レーヴィが語る恥ずかしさとは何か。  人間とは何かについて考える一冊である。

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眠れないほどおもしろい紫式部日記/板野博行

眠れないほどおもしろい紫式部日記/板野博行

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『光る君へ』の参考にも好し

2024/3/14

 紫式部(諱不詳)が中宮彰子に出仕してから、僅か数年間の記録を基に、当時の宮中の出来事などを楽しく読めるように纏められている。紫式部同様に仕えていた、和泉式部がストーリーテラーという設定で話しが進む。  「はじめに」が既に面白い。ハムレットの「To be,or not to be,that is the question.(いきるべきか、死ぬべきか、それが問題だ)」という現世の苦しみを、紫式部は、「あはれ」というひと言に集約させたということである。  紫式部日記は書かれた期間が短いため、本書の中ほどで話が尽きてしまう。しかし、彼女の生きた時代として、その後の道長が栄華に浸るまでの解説も、読みやすく理解もしやすかった。四納言についてや、紫式部の人物評についても、興味深く読むことができた。  2024年大河ドラマを観ていて、「藤原ばっかりでややこしい」という方にもお薦めの一冊。

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