面白いです。前世の記憶があるヒロインが、体を鍛える理由がせつないです。鍛えるヒロインを取り巻く人たちとのやり取りがコミカルで、くすり、とする場面がありますがその対比がなかなかいいです。婚約破棄からほどなく新しい婚約者が決まったけれど、相手は氷のような・・。自分の身を守れるからという理由で相手に選ばれたことをしったヒロイン、それまでと同じ生活を続けます。あたらいいお屋敷でも鍛えることが受け入れられていきます。ヒロインの性格ゆえでしょうか。 ヒロインが周囲の人を巻き込んでいく行動力があって、性格もいいから、ぶつぶつ文句を言いながらも従ってくれる・・そういったところからも、ヒロインの人柄がわかってきて、面白いです。 読めなかったヒーローのことも、ヒロインの危機などを経てドンドンもれはじめて、ついにただの政略結婚ではないとわかる？？ 複雑なヒーローの心をヒロインが知ったとき、動き始める二人の関係。ヒロインを送り出した父母はヒロインの幸せを願って、ヒーローとならそうなれる、と信じている姿が、読んでいてほっこりしました。読後感はよかったです。

出会いが衝撃的？落ち込んでいるヒロインが、助けたのは・・あとでヒーローとわかりますが、泥酔した若い男性。同じ会社で再会したときヒロインは気がつけません。それくらい、ヒーローは違う外見。 その意味や仕事のことがわかってくると、どんどんお話に厚みが加わっていきます。そして、ヒロインに好意を持っていたらしい軽い先輩同僚？のアプローチが変な噂のもとになったり、それを解決しようとしてくれるヒロインの応援者？がまたかっこいい。 そしてヒーローのアプローチがきちんとした形をみせはじめて、お話がすすみます。 外見で判断しない、背景で判断しないヒロインには好印象。だけど、そういうことが周囲に与える影響をしっかりと理解しているのもまた、現実的でいいです。そういうところに気がつかない”天然”ではない、というのかな。 読後感はよかったです。

せつないです。双子の姉妹だからこそなのか、二人の思いがすれ違いを生み出してしまいます。それも最悪の形と感じました。好きな人を奪うことで、自分に本心を見せて欲しいと願う双子の姉。ヒロインの姉。反して過去のトラウマがヒロインの心を凍らせて、姉に対して強く主張をすることがなくなっています。そんなことで?と思うのだけれど、幼心に芽生えたもの、説明のつくものではないように思えて・・納得しました。 双子の姉妹の間の亀裂がヒロインの恋の障害になっています。正確にはヒロインの姉が障害になっているのですが・・。幼馴染がずばっと話した内容はヒロインの大きな影響を与えます。やっぱり、言葉ってすごい。二人の未来もだけど、姉妹の落ち着きどころも気になって、あっという間に読み終わりました。せつなくて、でもやさしくて、あたたかい・・。

ヒロインのくらしぶり・現状からはじまり・・・家族をなくして、没落して手放した火砲を少しづつ取り戻しているということがわかってきます。家宝の剣を取り戻したことで不気味な出来事がおきはじめます。剣が何かのキーワードっぽいのだけれど、ヒロインは起きた事象を、異常なのに疑問も抱かずに受け入れます。そこにまず違和感がありました。ただ、色々な不幸に見舞われて苦労しているから、すべてをうけいれてしまうのかな？でも不思議なことなら、恐怖、疑問、そういったことが渦巻くはず。それがないヒロインに馴染めない。鬼の出現も以外であり、そこに政府がからんでくるという、なんとも馴染めないまま、読み終わてつぃまいました。続巻があるようなので、もう少し時間をおいてから読み直してみようかな、と思います。

結婚の約束というか、公にする日に彼の横にいるのは別の女性。そんな信じられない、という思いに囚われたヒロインは、彼が二股をかけていたことに気が付いていなかったということか・・とかわいそうになりました。 会社では秘密に、という彼の言葉を信じていたのだとは思うけど、せつないですね。彼と過ごした時間はなかったことに。彼のために手伝った仕事・・恋をして入れば支えたいと思うもの。公私混同するから、と断じることはできません。 そんな彼女に声をかけたのが、ヒーロー。一緒に過ごすうちに、少しづつ変わっていくヒロインに拍手を送りたくなります。 頑張れ！思わず応援したくなりました。天誅が下るよう願うしかない元カレの行動。すっきり！となるかは、ネタバレになるので書けません。よかったです。

面白かったです。主従関係のようで、そうではない部分もあって、代々仕えるという家同士の関係も理解できるようでできない部分です。それだけに面白いな、と思ったのもあります。武家の時代の主従関係のようとも思いました。 ヒーローがヒロインにせまるのはなぜ？と困惑するヒロインです。カラダの関係もそう割り切ってしまっています。カラダも差し出すの?というそこだけきりとると、”いまどき”です。だけど、ヒロインには気持ちがあったから・・。相手もそうでは?と思えないのが、主従関係なのかな。二人の関係はどう発展する？とわくわくしつつ、どうしてここまで自分を下におく？とヒロインにいらいらしたり。それもまた、スパイスなのかな~と思います。

壮大な作品、というのが第一印象です。帯にある集大成という言葉に影響されていることも大きいと思います。愛する人とめぐりあいながらも、国を民を背負っているヒーローと、ヒロインを慕ってくれる民の為に離れることを決意。そして再会までに多くに時間がかかったのは・・ヒーロー側にヒロインとの将来を望まない側近がいて、引き裂かれていた感じでした。そのことにも憤るでもなく、たんたんとしているふたり。時の流れを大きくとらえているのかな。一緒に過ごせなかった月日をとりもどしたいとか、公開はしていない。それだけに、再会してから、ヒーローが口にした望みはあまりにも平凡で、あまりにも切ないものでした。よかったです。

恋愛結婚がしたいんです、というヒロインの望みがそのまま。ヒーロー自身にトラウマがあって、ヒロインの気持ちを素直に受け取れません。言葉の裏を考えてしまうというのか。それなりの過去の心の傷があるものの、その人を見る目が厳しく、マイナスからのスタートのような感じです。それでもヒロインが誠実に接して、うまくいきそう！と思ったら、会話の中のフレーズがヒーローの心に疑念を植え付けてしまったりと、運が悪い面も。 そんなことの繰り返しだけれど、政略結婚をきっかけと考えて恋愛結婚のような夫婦になりたいというヒロインのとらえ方はいいです！面白かったです。お話の肉付けともいえる側近たちの活躍もよかったです。