その扉をたたく音 （集英社文庫　せ６－４） 瀬尾まいこ／著 集英社文庫の本

生きる目標を何も持たず、日々流されて生きてきた主人公。しかし本人も気づかぬ内に、 老人介護施設での音楽活動を通じ、他人の生きるチカラになっていく。 人を大切にする思いが、己も知らぬ間に、音楽を通じて他人の生きるチカラを喚起する。 そしてそれが己の生きる力にもなっていく。 胸を熱くさせる物語。こんなに感動的な内容であるにも拘らず、淡々としたその筆運び がまたさらっとして軽やか。流石です。 ずっとぼんくら呼ばわりしていた水木おばあちゃんは、そういう主人公のことをずっと よく見ていて、余りにも感動的な手紙をぼんくらに遺しました。ことここに至って私の 涙腺も決壊。感動を共有できる素晴らしい作品です。

瀬尾さんの本が好きで、読んでいます。まだ、読み始めなので、何とも言えませんが、かつて自分が持っていた夢や今の自分とのギャップ、自分にあるかと聞かれるとやや困ってしまう「情熱」なるもの．．．自分の心に眠っていた感覚が思い出されるような、そして、なぜかその道の良いものはすぐにわかる自分。他人を通して、自分の何かが少しずつ動き出す、そんなお話なのではないかと思います。

丁寧な梱包で注文後すぐに届きました。本は思ってたより薄く文章量が少なそう。