朝のピアノ　或る美学者の『愛と生の日記』 キムジニョン／著　小笠原藤子／訳 紀行、エッセーの本その他

読んでいて楽しい作品ではありません。 ただ、絶望しかないわけでもなく、ストンと胸の奥に響くシンプルで生々しく美しい言葉が、いくつもありました。 生まれた瞬間から死へのカウントダウンが始まっているにも関わらず 「いまこの瞬間を生きている」という事を忘れがちな我々が、自分の人生の期限を知らされた時、その事実を受け入れる事の、難しさ。 怒り、悲しみ、踠き、葛藤し、受け入れる。 今までとは違う視かたで世界を視る。 研ぎ澄まされてゆく感性と、高い境地に達する精神。 悟る、とはこういった事なのかな…と思いました。 十人十色。 大病を患う皆さんが作者さんのようではないでしょう。 読んでも、大病を患う方の全てを理解する事も不可能です。 ただ、ひとつでも多くの感情や思考を知り、大病と向き合う方に寄り添いたいと思う方にはオススメしたい作品でした。

推しのアーティストがオススメしていたので、気になり購入しました。心を落ち着かせて、暖かい気持ちになれます。何度も繰り返し読みたくなります^ ^